-シークエンシャルな動線の中に織りこむ多様な空間と環境体験-
2024年秋に着工予定の自邸の計画である。木造の農業用倉庫をリノベーションし、住宅として利用するプロジェクトである。
このプロジェクトでは寝室や子供室といった、個室として設計される場所を区切らず、ひとつながりの大きな空間として計画した。
それ故に、場所ごとに緩やかに用途を規定し、1階のエントランスから2階のワークスペースまで折り返しの一筆動線として計画を行った。人が空間を移動する際に、場所ごとに天井高や形状を変化させることで、多様な空間体験ができる計画とした。
例えばダイニングは落ち着いた空間とするため天井高を2.1mに下げ、リビングは既存の吹き抜けを活かした開放感を得られるよう天井高約5mの空間とし、2階は勾配屋根に沿った天井を活かした様々な高さがグラデーショナルに連続した空間として計画している。
リビング南側の開口部からは地域のアイコンとなっている常山を眺めることができ、建物内部から外部へのつながりに配慮した。
また、建物の東西面には2階の壁面最上部にハイサイドライトを設けて室内全体が明るくなるよう計画した。
吹き抜け空間の中央には4m程の高木を配置し、大きなスケールを持った植栽と空間が一体となる計画することで上下階の空間の連続性を高めた。